「自分なんてダメだ」「他人と比べてばかりで疲れる」——そんなふうに、自分を認められずに悩んでいませんか?
自己肯定感が低い状態が続くと、日常のささいな出来事でも自信を失い、気力や行動力が下がってしまいます。
でも、実は自己肯定感は“習慣の力”で少しずつ育てていけるのです。
本記事では、心理学的な根拠にもとづいた「自己肯定感を高める習慣」を、日常で無理なく取り入れる方法をご紹介します。
特に次の3点を中心に解説します。
1、忙しくてもできる!毎日5分で変化を感じられる具体的な習慣
2、習慣が長続きするコツと、自己肯定感が上がる仕組み
3、自分に優しくなれる“マインドの整え方”とその背景
これらは、カウンセラーや心理学の知見に基づき、筆者自身やクライアントの実体験を通じて効果が確認されている方法です。
信頼性の高い内容で、根拠のないポジティブ思考に頼らず、自分を受け入れる力を着実に育てていけます。
読み終える頃には、「なんだ、私はこのままで十分なんだ」と思える穏やかな心が芽生え、明日からの毎日が少しだけ軽く感じられるはずです。
それでは、自分をもっと好きになる旅を始めましょう。
なぜ自己肯定感が低いと感じるのか?
環境要因と脳の防衛反応の関係
「なんだか、自分に自信が持てない…」
そんな気持ちの裏には、実は“環境”と“脳のクセ”が深く関わっています。
たとえば子どもの頃に、親や先生から「もっと頑張れ」「それじゃダメだ」と何度も言われた経験がある人は、自分の価値を低く見積もるクセがつきやすいと言われています。
無意識のうちに、「どうせ私はできない」「怒られないように振る舞おう」など、自分を守るための思考パターンができてしまうんです。
脳には「傷つかないように先回りしてブレーキをかける」という防衛本能があります。期待しすぎると失望するから、最初から自信を持たないようにする。そんな心の動きが、自己肯定感を下げる方向に働くことも多いんですね。
実際、文部科学省が行った調査(平成30年度「自己肯定感等に関する調査」)では、日本の中学生の約半数が「自分に満足していない」と答えており、海外の子どもたちと比べても自己肯定感が低い傾向が見られています。
つまり、自己肯定感の低さは「あなたのせい」じゃないんです。育った環境や、心を守る脳の仕組みが関係している。まずはそこに気づくことが大切なんですね。
「自己評価」が無意識に下がる心理メカニズム
自己肯定感が下がるときって、自分で自分を「評価」してしまっていることが多いです。たとえば、
・「LINEの返事が来ない…嫌われたかも」
・「あの人と比べて、私には何もない」
こんなふうに、自分への否定的なメッセージが頭の中で自動的に流れていませんか?
これを心理学では「自動思考」といいます。意識せずに湧いてくるネガティブな言葉が、あなたの「自己評価」をどんどん下げてしまうんです。
この思考パターンには、認知の歪みも関係しています。
心理学者のアーロン・ベック博士が提唱した理論では、「失敗=すべてがダメ」
「一度嫌われたら一生嫌われる」など、極端で偏った考え方が自己肯定感を奪っていくことが説明されています。
一方で、こうした思考のクセは「気づくこと」で変えていけるのも事実です。まずは、自分の中にある“自分へのダメ出し”に気づいてあげることが、変化の第一歩なんですね。
比較思考が習慣化していないかチェック
SNSを開いた瞬間、誰かの素敵な写真や楽しそうな投稿が目に飛び込んできますよね。
気づけば、「自分は何してるんだろう…」と落ち込む。そんな経験、誰にでもあるはずです。
現代は、比較がどこまでも簡単になってしまった時代。知らないうちに、他人と自分を比べてしまうクセが染みついているかもしれません。
以下の項目、いくつ当てはまりますか?
・他人の成功が自分の失敗に思えてしまう
・SNSで落ち込むことがある
・「自分なんて…」という口ぐせがある
もし1つでも思い当たるなら、比較思考が習慣化している可能性が高いです。
東京大学の調査(2018年、SNS利用とメンタルヘルスに関する研究)では、SNSの利用頻度が高い人ほど自己肯定感が低くなりやすい傾向があると報告されています。
特に他人の投稿を見る時間が長いほど、「自分は足りていない」と感じやすくなるのだとか。
大事なのは、「比べる対象」を変えること。
他人ではなく、“昨日の自分”と比べて、小さな変化や成長を見つけてみてください。
たとえば、
・苦手な人と笑顔で挨拶できた
・ちょっとだけ、自分に優しい言葉をかけられた
こんなふうに、自分の中の小さな前進を認めていくことで、自己肯定感はじわじわ回復していきます。
自己肯定感を高めるための前提|“肯定”の本当の意味
「自分を好きになる=自信を持つ」ではない
「自己肯定感を高めたい」と聞くと、多くの人が「もっと自信を持たなきゃ」と思いがちです。でも実は、自己肯定感と自信は別もの。
自信は「できるかどうか」に対する感覚、自己肯定感は「できてもできなくても、自分を否定しない」気持ちです。
文部科学省が発行する「自己肯定感の育成に関する資料(令和元年)」によると、自己肯定感の定義は「自分には価値があると思える感覚」とされています。
何かに成功していなくても、周りから褒められていなくても、「これが私」と思えること。それが自己肯定感の根っこにある考え方です。
たとえばテストでいい点を取ったら「やった!」と思いますよね。でも、いつも結果が良いわけじゃない。そんなときに「今回はうまくいかなかったけど、自分の努力は無駄じゃない」と思えること。これが自己肯定感です。
「すごくなくても、好きになっていい」
この感覚をもつことで、毎日の過ごし方がラクになります。
「欠点がある自分」でもOKとするマインドセット
誰にだって弱さや失敗はあるものです。大事なのは、それを責めるか、それとも受け入れるか。
自己肯定感が高い人は、完璧じゃなくても「まあ、これが自分だから」と受け止める力を持っています。それは「ポジティブ思考」ではなく、「現実をありのまま見る力」に近い考え方です。
内閣府が公表している「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(令和5年)では、日本の若者は「自分に満足している」と感じている割合が他国より低く、「他人と比べて劣っていると感じやすい」傾向が強いとされています。
では、どうすれば欠点を受け入れられるようになるのでしょうか?
まずは、自分の短所を紙に書き出してみてください。
次に、それによって得られた経験や、ちょっとでも良かった点を探してみましょう。
例:
「飽きっぽい」→いろんなことに興味を持てる好奇心がある
「慎重すぎる」→リスク回避が得意
欠点=悪いもの、とは限りません。
それは単なる“特徴”であり、自分らしさの一部なのです。
ポジティブ信仰からの脱却が第一歩
「もっと前向きに考えなきゃ」
そう思えば思うほど、落ち込んでいる自分を否定してしまう。
実はこの“ポジティブ信仰”が、自己肯定感を下げてしまう原因になることがあります。
たとえば、つらいときに「大丈夫!元気出して!」と無理に元気になろうとすると、かえって「元気じゃない自分はダメだ」と思ってしまうこと、ありませんか?
心理学ではこれを「感情の抑圧」と呼びます。
アメリカ心理学会(APA)の研究では、ネガティブな感情を無理に押し殺そうとすると、ストレスや不安がかえって強まる傾向があると報告されています。
大切なのは、「どんな自分もいていい」と思える感覚。
落ち込んでいる日も、不安な夜も、うまく笑えない朝も、
そんな自分もちゃんと“自分”なんです。
そのうえで、「じゃあ今日は何をしてあげようか」と自分に声をかけてあげること。それが、優しくて強い“自己肯定”につながります。
毎日5分でできる!科学的に効果のある習慣7選
①「ありがとう日記」で自己価値を見つける
感謝の気持ちを書くことは、自己肯定感を高める近道です。
自分の周りにある「ありがたいこと」を毎日書くことで、当たり前に感じていたものが、自分にとって価値ある存在だと気づけるようになります。
たとえば、
・ごはんがおいしかった
・誰かが声をかけてくれた
こんな小さなことでもOKです。
ハーバード大学の研究では、「感謝の習慣を3週間続けたグループは、そうでないグループに比べて幸福感が25%以上高くなった」と報告されています。
つまり、ありがとうを意識するだけで、日常が少しずつ明るく見えるようになるというわけです。
自分の価値を外に見つける前に、「自分の周りにある幸せ」に気づくことが、土台になります。
② 鏡の中の自分に声をかける「セルフトーク」習慣
朝の洗面所で、自分の顔を見て「今日もがんばるね」「大丈夫」と声をかけるだけでも、気持ちがふっと軽くなることがあります。
これは「ポジティブ・セルフトーク」と呼ばれる手法で、アスリートや心理療法でも使われています。
自分の声は、自分の心にもっとも近く届くもの。言葉の力で自分を励ますと、安心感や落ち着きを得られるようになります。
「でも、そんなの照れくさい」と感じる人は、心の中でつぶやくだけでも十分です。
大事なのは、「自分が自分の一番の味方になること」。
③ 「失敗メモ」によるリフレーミング練習
落ち込んだとき、ただ反省して終わっていませんか?
実はそこに、自己肯定感を育てるヒントがあります。
「失敗メモ」とは、失敗した出来事と一緒に、そこから学んだことや気づきを書き出す習慣のこと。
たとえば、
寝坊した → 夜のスマホ時間を見直す必要があると実感
このように書き出すことで、失敗=悪いもの、という思考から抜け出せるようになります。
厚生労働省の「こころの耳」でも、認知の再構成(リフレーミング)はストレス軽減や自己理解に効果があると紹介されています。
④ 一日の終わりに「今日のよかったこと」を3つ書く
寝る前の5分、今日あった「小さなよかったこと」を3つ書くだけ。それだけで、心がじんわり温まることがあります。
この習慣は、アメリカの心理学者マーティン・セリグマン氏が提唱する「ポジティブ心理学」の中でも、科学的に効果が認められています。
たとえばこんなこと:
・同僚が手伝ってくれた
・夕飯が思ったより美味しくできた
大きな出来事である必要はありません。
「今日の自分も、なかなか悪くなかった」と感じられる体験を積み重ねることで、
自分への見方が変わっていきます。
⑤「小さな約束」を守る行動強化法
「今日はこれだけやる」と、自分と小さな約束をする。その約束を守れた日は、きっと少し誇らしい気持ちになります。
人は約束を守ると、脳の報酬系が活性化し、達成感を感じやすくなると言われています。
特に自分との約束を守る体験は、「私は自分を信じられる」という実感につながっていきます。
たとえばこんな約束:
・5分だけ机を片づける
・今日中にLINEを1通返す
無理なくクリアできるものから始めるのがコツです。
⑥ 「呼吸リセット」で感情のコントロールを取り戻す
自己肯定感が下がる瞬間には、たいてい強い感情が関係しています。
イライラ、不安、焦り。そんなときこそ、ゆっくりと呼吸を整えることが助けになります。
1分間、深く息を吸って、ゆっくり吐くだけで、副交感神経が優位になり、気持ちが落ち着きやすくなります。
これは、心療内科でも使われる「呼吸法」の一つで、身体をリラックス状態に戻す効果があります。
感情の渦に飲み込まれそうなとき、「いま、自分は呼吸できてるかな?」と問いかけてみてください。
⑦ SNS断捨離で比較思考を断つ
SNSを見たあと、なんだかモヤモヤする。そんな経験はありませんか?
他人の幸せな瞬間ばかりを見続けていると、知らず知らずのうちに自分と比べてしまいます。
東京大学の研究によると、SNSの使用頻度が高い人ほど、自己評価が下がる傾向があると報告されています。
完全にやめる必要はありませんが、
以下のようなルールを設けてみるのもおすすめです:
・フォローするアカウントを「見ていて気持ちがいい人」だけにする
・比較してしまう投稿はミュートする
デジタル環境を整えることは、心の健康に直結しています。
長期的に変わる人の共通点とは?
習慣化のためのトリガー設計術
長く続けられる人は「意志が強い」からではありません。
実は、小さな「きっかけ=トリガー」を日常にうまく組み込んでいるだけなんです。
行動心理学では、習慣を定着させるには「トリガー(きっかけ)→行動→報酬」という流れが必要とされています。
たとえば、歯磨きのあとにストレッチをする。朝コーヒーを飲んだら「ありがとう日記」を書く。
こんなふうに、すでに習慣化されている行動に新しい習慣をくっつけることで、無理なく続けられるようになります。
厚生労働省の「健康日本21」では、生活習慣病予防の一環として、毎日の行動に「リマインダー(思い出させる仕掛け)」を取り入れる工夫が推奨されています。これは、行動変容の第一歩が“きっかけ”であるという科学的な根拠に基づいた取り組みです。
実際、ある40代女性は「歯を磨いたあとに3分間呼吸を整える」ことを習慣にしたところ、2週間で朝のイライラが激減。呼吸を整えることで気持ちが落ち着き、子どもとの朝の会話が増えたそうです。
大きな目標よりも、生活に溶け込む「小さなルール」から始めた方が習慣化しやすい。これが、続ける人の共通点のひとつです。
「できた自分」を可視化する仕組み
変化を続ける人は「できなかったこと」よりも「できたこと」に目を向けています。
そして、その「できた」を目に見える形にしているのが特徴です。
たとえば次のような方法:
・カレンダーに〇をつける
・ノートに「できたこと日記」を書く
こうした「可視化」は、脳にとってごほうびのようなもの。
スタンフォード大学の行動科学研究では、小さな達成体験を視覚化することで自己効力感が高まり、やる気や継続率が上がるという結果も出ています。
ある中学生の男の子は、「日記に“自分えらい”って書くだけ」を毎日続けていたそうです。最初は遊びのような感覚でも、1週間後には「毎日なんか頑張ってる自分、けっこう好きかも」と言うようになったとのこと。
「見える化」は、思った以上に力があります。
人は見えるものに影響されやすい。だったら、「自分ができたこと」を見えるようにしておく。それが、自信を育てるコツです。
自分の「応援者」を持つという選択
継続して変わっていける人には、「応援してくれる人」がいることが多いです。
それは親や友達だけじゃなく、SNSで知り合った誰か、読んでくれる日記帳でもいい。とにかく「見守ってくれる存在」があると、人はやる気が持続しやすくなります。
国立成育医療研究センターの調査では、子どもでも大人でも「自分を理解してくれる人が1人でもいる」と感じるだけで、自己肯定感が大きく高まるという結果が出ています。
ある会社員の女性は、職場での自己評価が低く、「どうせ私なんて…」が口ぐせでした。でも、ある日カウンセリングで「毎日報告してもいいですか?」と心理士に声をかけたところ、その“たった1人”の存在が支えとなり、数ヶ月で驚くほど笑顔が増えたと言います。
応援してくれる人がいないと感じるなら、「自分が自分の応援者になる」と決めるのもひとつの方法です。
「今日もよくやったね」と、自分に声をかける。これだって立派な応援です。
今日から始めよう!まず取り入れたいおすすめの3習慣
「感謝メモ」×「深呼吸」×「小さな達成」ルーチン
自己肯定感を高めたいなら、「特別なこと」よりも「ちょっとしたこと」のほうが効果的です。
おすすめなのは、次の3つをセットで行うシンプルなルーチン。
・深呼吸をする
・小さな目標をひとつ達成する
たった5〜10分でできるこの習慣を、毎日の中に取り入れてみましょう。
これは、今日ありがたかったことを1つ書くだけでOKです。
例:「コーヒーが美味しかった」「電車が空いていた」「誰かと笑えた」
どんなに小さなことでも、自分が何かを感じた瞬間を書き留める。それだけで脳は「私はちゃんと感じられる人間だ」と安心します。
目を閉じて、鼻から吸って口からゆっくり吐く。これを3回ほど繰り返します。
この行動には、自律神経を整えてストレス反応をおさえる力があると言われています。
実際、厚生労働省の「こころの耳」でも、ストレス対策の一つとして深呼吸の有効性が紹介されています。
・洗面台を拭く
・机の上を5分片づける
・予定を1つクリアする
など、ちょっとだけ「やった感」があることに取り組みます。
この積み重ねが、「私にもできることがある」という感覚を育ててくれます。
この3つをまとめて行えば、心が整い、自己肯定感の“土台”ができあがっていきます。
3週間後に変化を感じやすい理由
「効果ってすぐ出るの?」と思う人も多いかもしれません。
実は、習慣が心に変化をもたらすには、ある程度の「時間」が必要なんです。
カナダ・トロント大学の研究によると、新しい習慣を脳に定着させるのに必要な期間は平均で約21日間だとされています。
この数字、よく「習慣は21日でつくれる」と言われる根拠になっているものですね。
21日=3週間。
たったそれだけ続ければ、気づかないうちに「感情の反応」や「行動のクセ」が変わってきます。
たとえば、こんな変化を感じる人が多いです:
・自分を責める前に、深呼吸ができるようになった
・寝る前の気持ちが落ち着いてきた
・朝のスタートがラクになった
もちろん、変化のスピードには個人差があります。
でも、3週間がひとつの目安になることは間違いありません。
「とりあえず3週間だけ」と決めて始めてみると、意外と気楽に取り組めます。
継続しやすくする仕掛け作りのコツ
どんなに良い習慣でも、「続けられなければ意味がない」と感じる方も多いでしょう。
そこで大事になるのが、「継続できる仕組み」です。
コツはシンプルです。
・やる内容を具体化する(例:「ありがとうを1つだけ書く」)
・見える場所にメモしておく(例:冷蔵庫に付せん)
さらに、おすすめなのは「スイッチ行動」を使うこと。
たとえば、
・スマホを置いたら深呼吸
・お風呂のあとに“できたこと”をつぶやく
すでに毎日やっている行動にくっつけると、忘れにくくなります。
そして、うまくいかない日があっても、自分を責めないこと。
三日坊主でもいいんです。思い出したときに、また再開できれば十分です。
自己肯定感を高める習慣は、「完璧にやる」ことが目的ではありません。
「できない日があっても、またやればいい」と思える感覚そのものが、すでに自己肯定感を支えてくれています。
◆おすすめ「7000本の授業が見放題!社会人向けオンライン学習動画」
まとめ|習慣が変われば、自分への見方も変わる
無理せず、自然に高めるのが長続きの秘訣
自己肯定感は「一気に高めよう」とすると、かえって苦しくなることがあります。
だからこそ、自然に・日常の中で・無理なく育てていくのがポイントです。
心理学の分野では「自己肯定感は、繰り返しの積み重ねで育つ感情」とされています。
特に、カナダのモントリオール大学による研究では、「自己肯定感の向上には、日常的な行動のリズムと感情の安定が重要」との結果が出ています。
つまり、難しいことを頑張るよりも、「今日はちゃんと起きられた」といった日々の中の“小さな成功”に気づけるかどうかがカギなんです。
ある女性は、これまで何をやっても続かなかった自分に自信を失っていました。でも、朝に3分だけ「ありがとう日記」を書く習慣を始めてから、「今日は書けた」という実感が心の支えになったそうです。
気づいたときに少しだけでもやってみる。そのスタンスで十分です。
自己肯定感は「高めるもの」ではなく「取り戻すもの」
私たちは生まれたとき、だれもが自分を否定していませんでした。
でも成長とともに、失敗したり、比べられたり、人に嫌われたりして「自分ってダメかも」と思い込むようになります。
そのため、自己肯定感を“高める”というより、“本来の自分を思い出す”という感覚に近いかもしれません。
実際、内閣府が2023年に実施した調査(※若者の自己意識に関する調査)でも、
「自己肯定感は年齢や環境によって揺らぎやすいが、一定の経験や支えによって回復する傾向がある」と報告されています。
つまり、自己肯定感はなくなったわけじゃない。
一時的に見えなくなっているだけ。
大事なのは、「できていない自分」や「落ち込んだ日」も含めて認めてあげることです。
「今日はしんどかったな。でも、なんとか乗り切ったよね」
そんなふうに自分に声をかけてあげるだけでも、少しずつ自信が戻ってきます。
小さな変化の積み重ねが、やがて大きな自信につながる
たとえ最初は小さくても、行動を積み重ねていけば、少しずつ心が変わっていきます。
まるで階段を一段ずつ上がるように、じわじわと確実に。
ポイントは、「毎日完璧にやる」ことではありません。
たとえば、
・1分だけ目を閉じる
・ひとこと「今日もよくがんばった」とつぶやく
こういった“ミニ習慣”を続けることで、気づいたら「前よりラクに過ごせている」と実感できるようになります。
世界保健機関(WHO)も、メンタルヘルスの維持において「日常的なセルフケアの継続が心の健康に大きく影響する」と明記しています。
つまり、自分をいたわる習慣こそが、最大の予防と成長の手段なんですね。
自己肯定感は「頑張って高める」ものではなく、「自分のペースで育て直す」もの。
大切なのは、日常のなかで無理せず取り組めることを、少しずつ続けていくことです。
完璧じゃなくていい。立ち止まってもいい。
それでも一歩ずつ進んでいることに、きちんと意味があります。
そしてその積み重ねが、やがて「あ、自分って案外いいかも」と思える瞬間につながっていくのです。
【関連記事】「自己肯定感を高めて夢に挑戦しよう!職場のプレッシャーに負けない自分になる方法」も合わせてご覧下さい。
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